一里は約4kmなので4,000km。
…じゃなくて、非常に遠い距離を指します。
万里の長城の万里と同じ意味です。
「千里眼(遥か遠方の出来事を知る超能力)」「悪事千里を走る(悪い噂はすぐ広まる)」なんて言いますね。
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このように日本語には千が絡む言い回しが色々有ります。
思い付くままに挙げてみましょう。
[千尋]
「ちひろ」と読んだ人はアニメの見過ぎ(笑)。
尋(ひろ)とは長さの単位で、両手を左右に伸ばした長さ、約1.8mです。
千尋は非常に高い、もしくは深い事です。
「せんじん」と読ませた方がぴったりの時も。
『獅子は我が子を千尋の谷に突き落とし、這い上がって来た子だけを育てる』
ライオンの強いイメージから来た言い伝えですが、もちろんそんな習性は有りません。
[千生り]
せんなり。
千成りとも。
数多くの実が付く事。
「千成びょうたん」は立身出世の縁起物、豊臣秀吉の馬印(合戦で大将の馬の側に立てておく目印)のデザインにもなっています。
[千切り]
キャベツの千切りの「せんぎり」です。
繊切りとも書きます。
細かく切るという意味は誰でも知っていますね。
大根の千切りを、ちょっと通な人は『千六本に切る』と言います。
なんで+6なのでしょう?
昔中国では大根をロフと呼び、それを細かく切るので繊ロフ。
それが日本に伝わって千六本に変化したそうです。
[千切る]
これも説明不要でしょう。
手でひねって細かく裂く事ですね。
同じ読みなのに「契る」という字を充てると、『固い約束を交わす』『男女が結ばれる』と全く逆の意味になるのが面白いかなぁって思ったのですが。。。
[千金]
せんきん。
大変価値が有る事。
一獲千金は、濡れ手で粟。
一刻千金は、時は金なり。
間違えないでね。
[千両]
「せんりょう」も千金とほぼ同じ意味です。
千両役者なんて言い方しますが、千両っていくらぐらいなんでしょう?
江戸時代の中で、比較的物価が安定していた文化文政頃の下女(住み込みで簡単な雑用をする女の人)の給金が年2.5両。
現在、最低賃金法で定める最低賃金が、東京都で時給710円。
1日8時間労働として5,680円ですが、5,000円で計算しやすくします。
盆暮れ正月のお休みと病欠その他諸々入れて、年にざっと300日働いたとすると、年収約150万円。
すると千両は、6億円にもなります。
当時の湯島天神の富くじの1等賞金が600両だったと言います。
現在のジャンボ宝くじが1等前後賞合わせて3億円ですから、1000:600=?:3億 だから、えーっと。。。
千両は、5億円。
やはりこの辺りの金額になります。
[千慮の一失]
せんりょのいっしつ。
賢者も時にはしくじる。
又は、色々考えを巡らしたにもかかわらず起こってしまった失敗。
よく「浅慮の一失」と間違えますが、浅慮(あさはかな考え)では当たり前過ぎ。
こんなコトバ知ってるのはかなりの知恵者でしょうから、これがホントの千慮の一失。
お後がよろしいようで。。。
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