■吊し雛とは
静岡県稲取地方の伝統工芸。
「吊し雛」は通称で、正式には「雛のつるし飾り」と言うそうです。
竹で作った輪に紅白のリボンを巻き、それに5本の赤い糸を結びます。
それぞれの糸に11個、和服の切れ端等で作った和裁細工を取り付けて、これを雛壇の両脇に吊します。
福岡柳川の「さげもん」によく似ていますが、こちらは7本の糸に7個で、雛壇の両脇ではなく部屋一杯に吊します。
福岡、静岡、山形と離れた土地に、どうして似通った風習が存在するのでしょう。
どれも江戸末期に発生したらしいのですが、柳川の風習が当時海上交通の要所であった稲取、そして酒田へと伝播していったとする説や、その頃江戸のセレブ達の間で流行っていた「ちりめん細工」を田舎から行儀見習いに来ていた娘達が持ち帰ったとする説、はたまた人形の買えなかった庶民の間で自然発生した説等有り、確かな事は分かっていません。
由来がどうであれ、この飾りが女の子の健やかな成長を願う物に違いは有りません。
女の子が産まれると、初節句に間に合うように家族皆で、5x11x2=110個もの布細工を縫ったそうです。
そんな風景を思い描きながら、吊し雛を見ていると、何だか暖かい気持ちになってきます。
▶吊し雛の種類
⏩吊し雛フレーム
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