📷ラッキーフレーム

■北斗七星
1年中旅をする遊牧民にとって、正確な方角を知る事はとても重要です。 誰もが簡単に方位磁石を携帯できなかった昔は、地上から見える星の中で唯一動かない天体、北極星はその大切な手掛かりでした。 ただ、北極星は暗く捜しづらい星。 そこで活躍したのが北斗七星です。 皆さんも学校で習いましたよね。 北斗七星の柄杓の先端の一辺を、上方向に5倍分延ばした先に在るのが北極星。 そんな訳で、北斗七星は古くから人々の信仰の対象でした。 中国の古代天文学では、北斗七星の在る北を尊い方角としていました。 日本では、柄の部分を剣の先に見立て、剣先が示す方角によって戦の勝ち負けを占った事から、勝負を司る星とされました。 兵士が出征の時、腹巻きやチョッキに縫い込んでもらう千人針に、北斗七星の絵柄が多かったと言います。
◇◇
太陽をお日様とかお天道様とも呼ぶように、北斗七星にも実に様々な呼び名が有ります。 それだけ人々に身近な星座だったのでしょう。 「七曜星(しちようせい)」もその一つです。 「死兆星」と間違えて、北斗七星を不吉な星だと勘違いしている人が居るみたいですが、北斗七星は北半球なら何処でも一年中見られます。 太陽を不吉な星とする地域が皆無なのと同様、北斗七星が不吉というのは有り得ません。
◇◇
■豆知識
北斗七星の柄の2番目の星は、ミザルとアルコルの2つの星が重なっている「重星(じゅうせい)」です。 重星とは、全く別の場所に有る星なのに、たまたま地球から見て一直線上に位置している為に重なって見える星の事です。 ちなみに本当に接近していて重なって見える星は「連星(れんせい)」又は「双子星」と言います。 ミザル(手前)とアルコル(奥)は、望遠鏡を使えば誰でもはっきりと見えますが、目のいい人なら肉眼でも見分けられます。 古代アラビアでは視力検査に用いられていたそうです。 その話が何らかの形で伝わったのでしょうか、日本のごく一部の地域ではこの星を「寿命星」と呼び、『正月にこの星が見えない者は,その年のうちに死ぬ』と言っていたそうです。 もちろんそんな事は有りませんが。。。 先の「死兆星」同様、この星が見えたら死期が近いと勘違いしてる人も居るみたいですが、それは何かのマンガの見過ぎです。
ストーンサークル(青)
ストーンサークル(赤)

トップ(0⃣)