✏お守りコラム
−第2回−
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このワラ人形の話、筆者は少し別の見方をしてみました。 ワラ人形を打ち込むのに効果が有るのは、村の鎮守などの御神木だそうです。 大事な御神木を傷つけられたら、誰だって気分のいいものではありません。 何かたたりが有るのではと心配する村人も居る事でしょう。 そして何より、「誰が誰を呪ってるんだろう?」「そーいえば、あそこの家と向かいの家が最近何かでモメたらしい…」「いやいや、どこどこの嫁と姑の不仲も近頃相当らしい…」なんて、有る事無い事乱れ飛んで、村の人間関係に悪い影響が出るのは目に見えています。
こんなトラブルの元になるワラ人形を、先を競って取り払ってくれるような、しかもワラ人形が有った事をなるべく他人に触れ回らないでいてくれる妙案として生まれたのがこの言い伝えなのではないでしょうか。 現代の大都市で注目されているBrokenWindows理論が、遥か昔に日本の小さな村でさりげなく実践されていたのです。

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