✏お守りコラム
−第4回−
【3/3】

その昔、会津地方で疱瘡(天然痘の昔の呼び方)が流行した時、病にかかった子供に赤ベコを贈ったら、たちまち回復したそうです。 それから、玩具よりはむしろ厄除けの縁起物として広く知られる様になりました。
そうです。 不思議に思ったのは、牛と疱瘡の関係です。 イギリスの医学者エドワード・ジェンナーが、牛から天然痘のワクチンを作るのに成功したのは1796年。 それが日本に伝わったのは、江戸末期の1849年です。 それよりもずっと前に、天然痘除けとして牛がお守りになっていたなんて、大げさかもしれませんが、人類の運命のような物を感じます。
◇◇◇
田舎の町医者だったジェンナーが、ワクチン開発を思い付いたのは、農家に古くから伝わるある伝承だったそうです。 それは、牛痘(牛がかかる天然痘)にかかった人間は、(人間の)天然痘にかからないというものでした。 牛痘は、牛と接する機会の多い人がごく稀に感染する病気で、天然痘より遥かに軽い症状で済みました。 もしかしたら、「ベコ」の世話をしていた人達も、その事に薄々気付いていたのかもしれませんね。
開運撫牛
↗虚空尊圓蔵寺の牛の石像
🗾福島県河沼郡柳津町
📷カメラ付ケータイで撮影

コラム一覧へ戻る
トップ(0⃣)