✏お守りコラム
−第6回−
【3/3】
だいぶ前置きが長くなってしまいましたが、ここまで読むと今回の『縁起の良いミサイル』が、いかに突拍子のないタイトルかお分かり頂けたかと思います。
縁起の良いミサイル。
そんな物有る訳無いじゃないか!!
けれども有るんです。
しかもこの日本に。
◇◇
場所は埼玉県の秩父。
吉田町という山あいの町。
ここで、毎年10月第2日曜に龍勢(りゅうせい)祭りというお祭りが開かれます。
龍勢とは、松材で作った筒に火薬や色々な仕掛を詰めた物で、要はミサイル。
これを山の中腹に建てた木造の発射台に設置し、お囃子と口上の後、点火。
天高く龍勢が打ち上がる様を見て、来年の豊作を祈ります。
でも中には失敗する龍勢も有ります。
これこそが、このお祭りを面白くしている所。
普通の花火大会と違って、専門の業者が取り仕切るのではなく、町の公募で選ばれた一般の人達(とはいえ火薬の取扱資格は持っていらっしゃる方々です)からなる幾つかのチームで、製作から打ち上げまで全てを行います。
ですので、本当に上手く打ち上がった時、観衆は惜しみない拍手を贈り、自分の事の様に喜びます。
➡[コマ送り]龍勢祭り
龍勢祭りの起源は遠く戦国時代の"のろし"だと言われます。
一方、ナチスドイツがV2ロケットで周辺国を空襲したのは今からちょうど60年前。
さて、60年後私達は龍勢見物を楽しむ事が出来ますでしょうか。
そして、ミサイルで悲しむ人は居なくなっているでしょうか。。。
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