✏お守りコラム
−第7回−
【3/3】
しかし、物事には必ず例外が有ります。
あれ?
間違えて前のページに戻っちゃったかな?
いえいえ、ちゃんと話は進んでいます。
例外として挙げた『屋根裏の御幣』にも例外が有って、人目に付くように高く掲げるケースも有るのです。
それが『櫓(やぐら)の梵天(ぼんてん)』です。
◇◇
梵天とは、元々は古代インド神話に登場する創造の神(マハーブラフマン)です。
維持神のヴィシュヌ、破壊神のシバと並ぶ最高神とされています。
日本では、先程の御幣を沢山束ねて毬のようにした物を梵天と称して、各種祭礼に用います。
これを屋根裏ではなく、屋根の上に飾る習慣が歌舞伎の世界に残っています。
歌舞伎は江戸時代、幕府から許可を受けた者しか興行できませんでした。
正式な場である事を示す目的で、劇場の屋根に櫓を増設して、そこに劇場と役者と裏方、それにお客さんを守るお守りとして梵天を飾りました。
今でも、顔見世興行(*注)時のみ、東京の歌舞伎座、京都の南座で、櫓と梵天を見る事ができます。
興味の有る方は、足を運んでみてはいかがでしょう。
*注:
江戸時代の歌舞伎は、11月が新年度の始まりでした。
これは、当時の役者と芝居小屋の契約が11月〜翌10月の1年だったからです。
そして、今年度の作家や役者のメンバー(顔ぶれ)を発表する興行を顔見世と言いました。
今ではその慣習も廃れ、11月の歌舞伎座、12月の南座で顔見世の名を冠した興行が行われるのみとなりました。
↗歌舞伎座の櫓と梵天
🗾東京都中央区銀座
📷カメラ付ケータイで撮影
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