✏お守りコラム
−第18回−
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ここまで赤にこだわるのには無論訳が有ります。 日本や中国で赤は火を連想し、古くから魔除けの色とされました。 しかし、この場合は全く逆で、疱瘡神が赤い色を好むからだと考えられています。 一部では「嫌う」という説も有りますが、一連のオマジナイの趣旨から考えて、「好む」とした方が合点が行きます。 なぜ赤色を好むのかは、はっきりと分かっていませんが、発疹の色が紫から赤になると無事回復するという経験則から来ているのではと言われています。 いずれにせよ、疱瘡神を追い払うのではなく、なるべくご機嫌を損ねないようにするのが、この棚の目的です。
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その後、運良く病気が快方に向かうか、もしくは疱瘡神をお祀りした日から一定の期日が過ぎたら、今度は諸々のグッズを村のはずれに捨てる儀式を行います。 これを「疱瘡送り」と言い、疱瘡神にご機嫌良くお帰りいただくのを目的にしています。 疱瘡送りを行う場所は各村でちゃんと決まっていて、そこに「疱瘡神」と掘られた石塔を立てて目印にしました。
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神様をお迎えして、もてなした後、送り出す。 これは普通の"お祭り"と全く同じです。 家族の命に関わる一大事なのにお祭りとは、私達の感覚からすれば驚きです。
これらの行事は、地方によって細かな違いは有りますが、全国で行われていました。 また、天然痘に限らず、麻疹(はしか)や水痘(水疱瘡)でも、同様の事が行われていた地域も有りました。 これらの病気は、一度かかれば二度とかからない事から、神様から与えられた試練と考えていたのかもしれません。 江戸末期から明治にかけて、種痘(昔の天然痘予防接種)が普及するにつれ、これらの風習は廃れていきましたが、一部の地域では、子供の予防接種の後に、疱瘡棚を設け、疱瘡送りをする所も有ったようです。

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