✏お守りコラム
−第33回−
【4/5】
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結局迷信は信じない方が得では?
[🅰]
信じる信じないが良い悪いではなく、信じ方否定の仕方が問題なのです。
分かりやすい例を挙げてみます。
──夜、爪を切ると親の死に目に会えない。
良く知られている迷信ですよね。
誤解してる人も多いかもしれませんが、ここで言う『親の死に目に会えない』とは、親の最期を看取れないという意味ではなく、親より早く死ぬという意味です。
行燈(あんどん)ぐらいしか無かった照明設備の乏しかった昔、夜に爪なんか切ったら、深爪したり誤って指を切ってしまう恐れがあります。
そういう小さな安全をおろそかにしていると、親より先に死んでしまいますよ、という戒めを内に含んだ秀逸な言い伝えです。
この言い伝えを守って、朝や昼に爪を切るよう心がけるのは結構な事です。
また、「ウチは照明が明るいから、気を付けて切れば夜でも大丈夫」と言って、この迷信を否定するのも、それは良い否定の仕方です。
いけないのは、舞台役者にでもなった気になって「こちとらハナから親の死に目になんざ会えると思ってねーや!」なんて言いながら平然と夜爪を切る行為です。
「分かってないなぁ。。。」って言いたくなっちゃいます。
◇◇
──夜、口笛を吹くと蛇が出る
これも有名ですよね。
夜、口笛なんか吹いたら、近所迷惑だからヤメましょう、という言い伝えです。
こちらも「ウチは田舎で、周りは田んぼばっかりだから大丈夫」と言って否定するのはアリですが、「私、蛇なんか恐くないもん!」って言うのは的外れです。
世の中にはあまたの言い伝えが有りますが、禁忌もしくは推奨している事柄と目的との因果関係がかなり怪しい物も多数有ります。
そこにケチを付けるのは百歩譲って目をつぶるとしても、「威し文句」にケチを付けるのは言い伝えを守って来た人々や社会に対する冒とくになります。
あなたが居る社会にそっぽを向けられてしまう危険性をはらんでいるのです。
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