✏お守りコラム
−第3回−
【2/3】

次に『花は咲くけど実が生らない』植物です。 これはもう、山吹(ヤマブキ)は外せないでしょう。 室町期の武将で江戸城を築いた事で知られる太田道灌(どうかん)の逸話は余りにも有名です。 武道一筋だった道灌が、鷹狩り(所用という説も)に出掛けた際、にわか雨に合い近くの農家に蓑を借りようとしました。 ところが、家から出てきた娘は黙って山吹の花を差し出すだけ。 道灌は訳が分らないまま帰城し、家臣にその事を話すと、一人が後拾遺集の歌「七重八重花は咲けども山吹のみのひとつだになきぞかなしき」の「実の」と「蓑」を掛けて「お恥ずかしながら蓑ひとつございません」と伝えたのではないかと言上しました。 道灌は自分の無学を恥じ、この日を境に学問にも励み、文武両道の英傑と言われるまでになりました。
山吹の里
↗道灌の逸話を伝える「山吹の里」の碑
🗾東京都豊島区
📷カメラ付ケータイで撮影

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