✏お守りコラム
−第7回−
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『屋根裏の御幣(ごへい)』です。 御幣とはあまり耳慣れない言葉ですが、コレ⬇の事だと言えば分かるでしょう。
ゴヘイ
神社や祠(ほこら)、相撲の化粧回し等で見かけますよね。 これ自体がご神体という訳ではなく、神様が下界に降りて来る時の目印なんだそうです。 ちょうどヘリポートの○Hマーク(*注)みたいな物です。 ちなみに、縁起や迷信ばかり気にしてる人の事を、やや軽蔑の意を込めて「御幣かつぎ」と言ったりします。
◇◇
この御幣を、棟上げ(家の柱を立て、屋根の基本部分を造る一番重要な工程)の際、棟梁(大工のリーダー)が棟(屋根の基礎部分)に差し込むという事が、日本の家屋で広く行われていました。 棟上げ後、棟の下には天井が造られますから、家が完成したらその御幣は屋根裏に隠れてしまいます。 家の住人は、明け渡しから、何らかの事情で家が取り壊されるまでずっと、屋根裏で家を守っている物の存在を知らずに過ごすのです。 前頁で述べたお守りの"定義"からすれば、これは完全な例外となります。

*注:
着陸可能な「ヘリポート」は、○にH印。 (ちなみに病院用は十字にH印) 着陸せずにホバリング(空中定点停止)体勢で救助を行う為のスペースは「レスキュー」で、○にR印。

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