✏お守りコラム
−第11回−
【2/4】
そうそう、肝心な事忘れてました。
初夢って、いつ見る夢でしょう?
「初○○」というのは、年が明けてから初めての「○○」です。
ならば大晦日〜元旦にかけての夜に見る夢に思われがちですが、これは違います。
元旦〜1月2日の夜に見る夢です。
なぜなら、大晦日の夜は寝てはいけないからです。
◇◇
理由を言う前に、前提として述べておきたいのが、どうやら古代日本の一日の始まりは、今の様に午前0時ではなく、それより前、午後6時前後だったのではないかという、多くの民俗学者が唱えている説です。
確かに日本の祭の大半は、夜に始まり夜に終わります。
大晦日の晩に食べるそばを「年越しそば」と言うのもこれなら理解できます。
ですから大晦日、日が沈んで年越しそばを食べたら、既に正月になっているのです。
昔の人が正月に入ってまずやるべきとした事は、もちろん寝る事ではありません。
初詣です。
今でも初詣は一般に行われていますし、1年の無事と繁栄を祈るという参詣の趣旨も変わりありません。
ただ、室町以前の日本では、初詣にもう1つの目的が有ったのです。
それは神仏に良い夢を授けてもらう事です。
昔の人は今よりもずっと、夢というものを神聖視していました。
神様や仏様は、夢を通じで人間とコンタクトを取ると信じられていたからです。
おとぎ話に、神様やご先祖様が夢枕に立って、「お告げ」の通り行動したら長者になったという類が多いのもそのせいです。
良い初夢を見る為に、枕の下に宝船に乗った七福神の絵を入れて寝るという習慣も、この名残と言えましょう。
そんな訳で、大晦日の晩に早寝をしてしまうのは良くないとされ『白髪が増える』とか『親のシワが寄る』とか言って戒めたのです。
そうなると正月一日がかなりキツイのは昔の人だって一緒。
早々寝床に入って二日の朝は自然と早起きになります。
『正月二日に早起きすると、一年中早起きできる』という回りくどい言い伝えも存在します。
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