✏お守りコラム
−第11回−
【3/4】
ところで皆さん、一富士二鷹三茄子の後に四と五が有るのをご存知ですか?
四に葬式、五に火事と続くのだそうです。
一二三が正夢なのに対して、四と五はもちろん逆夢。
見たら、自分や家族の体、家の火の元にいっそう注意するようになるので、吉兆とされました。
現代心理学でも、人が死ぬ夢や火事の夢は、決して病的な心理状態ではないと言います。
縁起の世界(?)では、縁起の良い物と悪い物は表裏一体で、縁起の悪い物が縁起の良い事に利用されるケースがよく有ります。
節分の『鬼は外福は内』なんかが典型で、鬼の面を被った家長が逃げ回る中、家族が豆を投げつけるという比較的"凝った"演出をされる家庭もあるかと思います。
「福」がなかなか体感しにくい庶民にとって、鬼が逃げていく様子を見る方が「福」を感じられるのです。
正月の初詣の帰りに櫛をわざと落として『苦を落とす』から縁起がいいとしたり、ギャンブラーが勝負に向かう道中で黒猫や霊柩車を見かけたら、先に悪い事が起こったから今日は勝てると言って喜んだのも、基本的な考えは皆同じです。
ちなみに「四葬礼(そうろう)に五雪隠(せっちん、便所の事)」「四扇五多波姑(煙草)六座頭」という言い回しも残っているそうす。
どうやら昔の人でも一二三は見る事が少なかったようで、少しでも確率を上げようとした努力の後が伺えます。
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