✏お守りコラム
−第11回−
【1/4】
🔶一富士二鷹…
一富士二鷹三茄子。
初夢に出ると良いとされる物ですね。
かなり齢を重ねている筆者ですが、"一"以外は、普段の夢でも生まれてこの方見た事が有りません。
皆さんはどうですか?
富士、鷹、茄子の組み合わせは、元禄時代に始まったらしいのですが、なぜこの3つなのかには諸説有ります。
一つは徳川家康の出身である駿河の名物を挙げたという説で、二の鷹は富士の南に広がる愛鷹山(アシタカヤマ)連峰。
また、この愛鷹山を駿河の象徴=徳川家と見て、当時高かった物を三つ挙げたという説も有ります。
富士はもちろん標高が高い。
将軍家は権力の頂点。
茄子は今に比べてかなり高価な物だったそうです。
どちらにせよ、"二"がネックになって今ひとつ説得力に欠けるのは否めません。
もっと胡散臭いのは、日本三大仇討ち(成功例)とする説で、一の富士は富士の裾野で工藤祐経(すけつね)を討った曽我兄弟。
二の鷹は、赤穂浪士達の領主であった浅野家の紋所。
ここまでなら何とかうなずけますが、残る三つ目。
渡辺数馬が荒木又右衛門の助太刀で河合又五郎を討った「鍵屋の辻の決闘」(通称三十六人斬り)の説明がどうしても付きません。
鍵屋の辻の在る伊賀上野が茄子の産地だったとか、茄子のヘタのトゲトゲから毬(イガ)→伊賀が連想されたとか、素人目にもかなり苦しい解釈をしないといけません。
ここは、あやかり系の富士は末広がりで日本一(気)高い、鷹は高く飛び強い脚で物を掴む、茄子は毛が無いから怪我無い。
もしくは語呂合わせ系の不死or無事(健康・安全)、桶や樽のタガ(節制)、成す(成就)の単純な説の方がむしろすっきりすると思いませんか。
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