✏お守りコラム
−第15回−
【5/7】

日本にはハートの植物は無いのでしょうか? いっぱい有ります。 まず、野に咲くスミレ科の多くは葉がハート型です。 庭先のドクダミ(ドクダミ科)の葉も。 畑のサツマイモ(ヒルガオ科)や山芋(ヤマノイモ科)の葉もそう。 山の渓流沿いに生える桂(カツラ科)の木も、ハート型の葉が好まれて庭木として人気が有ります。 やや高い山の林下に生える「マイヅルソウ」(ユリ科)という草は、ハートが2つお互いにそっぽを向く様に葉を付けます。 初夏になると、その間から3cm位の花芽を出し、白い小さな花を咲かせます。 この姿が、舞っている鶴に見えるので、舞鶴草。 とっても可憐な草花です。
マイヅルソウ
舞鶴草
ウマノスズクサ科の「カンアオイ(寒葵)」も忘れてはなりません。 都市近郊の雑木林の下にも普通に見られる野草です。 春に茶色の花を咲かせますが、花芽は地面に半分埋もれていて、タダでさえ目立たない花が余計に目立ちません。 草全体に薬の様な匂いがして、咳止めの薬効が有るそうです。 あの徳川家の「葵の御紋」は、このカンアオイ(の一種のフタバアオイ)の事です。
葵
葵紋によく似た家紋に河骨(コウホネ)紋が有ります。 コウホネは、池や小川に普通に生えるスイレン科の水草で、夏に黄色い花を咲かせます。 レンコンに似た地下茎が白くて骨の様に見えるので河骨。 睡蓮(スイレン)類の葉っぱは、丸に切れ込みが入った形、ホールのケーキから1個切り出した様な形が多いのですが、コウホネはハートに近い形をしています。

次ページ
コラム一覧へ戻る
トップ(0⃣)