✏お守りコラム
−第16回−
【2/3】
むかしむかし、足柄山(*注1)に山姥(*注2)から生まれた金太郎という男の子が居ました。
小さな頃から大の力持ちで、山に棲む熊や鹿、猿、兎達と相撲を取ったりして遊んでいました。
ある日金太郎は、所用で東国を旅していた都の武士、碓井貞光と足柄峠で出会います。
金太郎の度量に感動した貞光は、金太郎に都に行って武士にならないかと誘いました。
そうして金太郎は京に上り、当時一番の大将、源頼光(みなもとのよりみつ or らいこう)の家来となって、坂田金時(さかたのきんとき、公時とも)と名乗りました。
金時は剣術や学問に励み、ついに碓井貞光、卜部季武(うらべのすえたけ)、渡辺綱(わたなべのつな)らと共に頼光の四天王と呼ばれるまでに成長しました。
四天王は、大江山の酒呑童子や土蜘蛛を退治したりと大活躍をしましたとさ。
◇◇
以上が「金太郎」のあらすじです。
源頼光も坂田金時も平安中期、あの藤原道長の時代に実在した人物です。
金太郎のお話は、彼の生い立ちと武勇伝を、多少のフィクションも交えて読み物に仕上げた物で、桃太郎や浦島太郎等の"昔話"とは少し性格が違う訳です。
*注1:
あしがらやま。
神奈川県南足柄市西部に広がる箱根の外輪山。
最高峰は金時山(1213m)。
*注2:
やまうば。
「やまんば」とも言う。
"訳有り"で人里離れた山奥に一人で住む老女。
山姥にまつわる伝承は日本各地に有り、時として妖怪として扱われる事も。
金太郎は、山姥が龍と交わって出来た子供とする伝説も有る。
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