✏お守りコラム
−第17回−
【2/3】
全国の数ある霊山の頂点に立つの山は、もちろん富士山です。
富士山信仰が特に盛んだったのは江戸後期で、宗教的な寄り合いの一種である「富士講」と呼ばれる組織が全国に400近くも有ったと言います。
さて、この頃の江戸庶民にとって、一生の内一度は行ってみたい所ベスト3は、
@神道の総本山とも言える伊勢神宮(「本山」はお寺に対して使うコトバですが。。。)
A仏様が極楽に行く前に一度立ち寄る所とされていた長野の善光寺
そして…、
B日本一の山、富士山
です。
特に富士山は、3つの中で一番江戸に近く、町からも日々その美しい姿を見る事が出来たので、人気が有りました。
とは言え、当時の一般庶民にとって、旅はそう簡単にできる物ではありませんでした。
よほど裕福な人でない限り行程は全て徒歩。
当然多くの日数を要します。
その間、仕事は休み。
有給休暇なんて有る訳ないですから、無給です。
そうそう、今のパスポートにあたる「通行手形」も必要です。
旅先から手紙は出せますが、家族から旅人への連絡手段は有りません。
また、宿代や食費も当時の物価から見て相当割高だったようです。
総じて旅行は大変贅沢かつリスクを伴う物だったのです。
富士山に登りたくても登れない人が大勢居た事は、容易に想像が付きます。
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