✏お守りコラム
−第19回−
【2/4】
さて、筆者のお気に入りはと言うと『一寸の虫にも五分の魂』です。
いいですねぇ。
美しいとは思いませんか?
最近の日本は、自分の勝ち負けの事ばかり気にし過ぎです。
今一度、この精神に立ち返るべきだと思います。
…って、こんな説教をしたかったんじゃありません!
日本人にとって、どれくらい「虫」が身近で、親しみの有る存在だったのかを言いたかったのです。
◇◇
平安時代、宮中では虫を持ち寄って鳴き声や姿を競う「虫選び」、さらにそれぞれの虫にちなんで歌を詠む「虫の歌合(うたあわせ)」という遊びが流行りました。
江戸時代には「虫づくし」と言って、何でしょう、今で言う「山手線ゲーム」の"虫版"みたいなのが流行ったそうです。
虫の声を美しいと感じ、虫で遊ぶという文化は、世界でも類を見ない物だと言います。
平安時代の貴族や宮廷の文化、江戸時代の町人文化は、教科書で真っ先に習う事柄ですが、これらの時代、大多数を占めていたのは農民です。
農業に従事する人達にとって虫は、迷惑な存在以外の何者でもありませんから、さすがに貴族や町人のように、呑気に遊んでいられないはずと思いきや、ここでも『一寸の虫にも五分の魂』の心が生きていたのです。
その代表例として挙げたいのが「虫送り」と言われる行事です。
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