✏お守りコラム
−第21回−
【2/3】
昔の日本の屋敷には、このようなミステリーゾーンがあと2ヶ所在りました。
何処だか分かりますか?
1つは井戸です。
井戸にも別の神様が居ると考えられていました。
水を汲みに行った人を迎えに行くと死ぬ。
途中で声を掛けると死ぬ。
水汲みに行った人が、戻る途中で水を飲んだら死ぬ。
こんな迷信が当たり前のように飛び交っていました。
◇◇
残る1つはなんと、お便所です。
井戸は命の水を得る所ですから、神様が居ると考えるのも不思議ではありません。
お便所に神様が居るとしたのはなぜでしょう?
ここからは想像の域を脱し得ないのですが、1つに昔の便所はかなり危険な場所らしかった事が挙げられます。
現代でも冬の朝の和式トイレは、循環器系疾患のリスクが高いと言います。
また、便所の事を隠語で「つきあたり」とか「遠方」とか言ったりしますね。
下水処理の発達していなかった昔は、構造上トイレを遠い場所に作らざるを得ませんでした。
家の端へと追いやってしまった、ある種の罪悪感も有るかもしれません。
隠語と言えば「はばかり」というのも有ります。
今もそうですが、排泄に関する事をむやみに口にするのは、はばかられます。
しかし、快便は毎日の健康の基本です。
その事を遠回しに表現したのが『便所に神様が居る』なのかもしれません。
ちなみに、飛騨高山(岐阜県)をはじめ多くの地域で、この便所神が家の中で一番偉いとされています。
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