✏お守りコラム
−第21回−
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🔶夢で逢えたら(2)
前回は、夢の中身を中心にお話ししましたが、今回は夢全般についてです。 人は、自分の見たい夢を自由自在に見る事ができません。 全く意図しない夢になる事が非常にしばしばです。 そうなると、夢には自分以外の何者かが関わっていると考えたくなるのが人情です。 夢はあくまでその人の生理現象に過ぎないというのが、最近の研究者達が導こうとしている結論ですが、それでも夢は「神の啓示」だと信じる人が現代でも大勢居ます。 それほど夢という物は、誰にでも起こる一番身近な神秘体験なのです。
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夢を見る場所は主に寝室です。 日本では、寝室は神様やご先祖様とコンタクトを取れる神聖な場所と考えられていました。 特に「枕」は重要なアイテムで、枕神という神様が居ると信じられていました。 だから、枕を踏むとものすごい剣幕で親に怒られたものです。 年配の男性なら経験が有るでしょう。 修学旅行の枕投げ(枕合戦)。 こんなのはとんでもないバチ当たりな事でした。 そう言えば、布団の上に立つのも怒られましたね。 体のあらゆる"面"が接触する事を許されている布団なのに、唯一(二?)足の裏の面だけが例外でした。 地方によっては「枕小僧」とか「枕返し」と呼ばれる妖怪の伝説も有ります。 夜寝ている間に枕を返すオバケです。 それから、『寝言と会話をすると、(寝ている人の方が)死んでしまう』というのも有りますね。 神様の居る「異界」に行きっぱなしになってしまうからです。 かように寝室はミステリアスな空間だったのです。

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