✏お守りコラム
−第22回−
【7/7】

■仙台四郎(センダイシロウ)
最後に紹介する「仙台四郎」は、実在した人物がモデルと言うよりも、実在した人物そのものと言った方が良いでしょう。 仙台四郎、本名芳賀四郎は、江戸末期から明治にかけて、仙台に本当に居た人です。 彼は幼い頃の事故が元で脳に障害を負ってしまいます。 勝手によその家や店に上がり込んで、みんなに迷惑をかけていました。 ところが、そのうちに彼が立ち寄った家がなぜか繁昌する事に皆気付きます。 彼は「福の神」と呼ばれる様になり、噂を聞きつけた人達が盛んに自分の店に呼び込もうとしましたが、意地の悪い人や下心見え見えの人の所には決して上がらなかったと言います。 恐らく本能的に、自分を歓迎してくれてる人、お客様を大切にしているお店を見分けていたのでしょう。 彼の死後、唯一残されたこの⬇写真は、商売繁昌のお守りとなりました。
四郎さん
仙台四郎
今でも仙台の老舗を覗くと、彼の写真の入った額を目にする事ができるそうです。
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こうして実在の人物が神様や縁起物になった話にふれてみると、神を祀る事は人を敬う事の延長ではないかと感じます。 今の世の中、昔の人の様に神や仏を信じろと言うのは、無理が有るかもしれません。 けれども、周りの人に敬意を払う事は決して忘れてはならないと思います。

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