✏お守りコラム
−第28回−
【3/4】

冗談はさておき、虹はなぜ虫ヘンなのでしょう。 それは、昔の人が虹🌈の正体を龍🐲だと考えていたからです。 龍は鱗虫の王様でしたね。 つまり水の王者です。 龍は水を司る水の守り神として人々に広く信仰されて来ました。 龍という世界で一番普及していると言って良い空想の動物が、一体何を起源にしているのか。 様々な説が飛び交っていて、21世紀の現在でもこれといった定説が有りません。
大トカゲやワニ等の大型爬虫類説。 確かにこれらは、絵画や彫刻の龍の姿に似ていますが、生息する地域がかなり限られているので、地球的規模で信じられている事に対する説得性に欠けます。
アナコンダやニシキヘビ等の大蛇説。 これは有力な説です。 生息地が限られるのは大トカゲやワニと変わりありませんが、普通の蛇は世界中のどこでも見られますから、人間をも呑み込んでしまう程の大蛇が居るらしいという伝聞が、人から人へ伝わる間に龍の話になる可能性は十分に有ります。
恐竜起源説も捨てがたいです。 ネッシーに代表される様な恐竜の生き残りの目撃談から広まったのだとすれば、龍の神秘的なイメージに一番近い気がします。 今よりも遥かに自然が豊かだった太古の昔は、あちこちに恐竜の生き残りがいたのでしょうか? トキやニホンオオカミと違って、6500万年も前に絶滅している恐竜が今も生き残っている確率は、限り無く0に近く、それは100年前だろうが1000年前だろうが大差有りません。
生き残りじゃなくて、化石から昔の人が想像したのでは? オーパーツ(*注)の変則形みたいな話で、個人的には好きです。 現代人が恐竜の骨格から生きていた時の姿を想像できて、古代人には不可能だと断言するのはいささか傲慢かもしれません。 ただし、人の住める場所から何日もかけて行く様な奥地で、近代的な装置を駆使して発掘される大型恐竜の化石が、昔はそこら辺にゴロゴロしていたとしたら、です。
あとは見間違い説も色々です。 ザトウクジラ等の大型海獣が発情期にする集団ダンスは、龍が天に昇って行く様に見えてもおかしくないと言います。 でも、龍の伝説は海から何百Kmと離れた内陸でも、沿岸部と同じく存在しているのです。
このように何かの生物を由来とする説は一長一短です。

*注:OOPARTS
「Out Of Place Artifacts」の略で、直訳すると「場違いな加工品」。 その時代には無いはずの技術で作られた工芸品や、まだ発見されていないはずの事象を題材にした美術品等です。 オーパーツは世界中に散在していて、日本にも有ります。

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