✏お守りコラム
−第30回−
【4/6】
■裏方を知るのも善し悪し:
いわゆる「舞台裏」や「楽屋ネタ」「誕生秘話」といった類の話が商品やサービスの人気向上につながる場合とそうでない場合が有ります。
お守りは、恐らく後者です。
一般の商品やサービスで、裏方を公開する理由は概ね2つです。
1つは、品質が良い事をアピールする為。
「安かろう悪かろう」のイメージが有るので「実は意外に品質はいいんですよ」と訴えたい場合や、逆に「高くて手が出ない」イメージの有るブランド品で「これだけの事をやってるんですから値段相応の価値が有るんですよ」と言いたい場合などがこれに当てはまります。
もう1つは親しみを持たせる為です。
その商品の現在のブランドイメージが、想定している客層より狭い場合、要するに「敷居が高い」状態。
または、ブランドイメージと客層がぴったりと合致しているのに、ライバルが居てそこにお客さんを取られている状態です。
ある商品とライバル商品が質や値段で同一の場合、最終的にお客さんに「愛着」を持ってもらった方が勝ちます。
お客様の愛着を得る為の裏方公開は、そう悪い手段ではありません。
余談ですが、そもそもブランドイメージが定着していない、つまり世に知られていない時は、よほど「どう作られたか」が重視される商品でない限り、裏方の公開よりも他にやる事があるはずです。
さて、お守りですが、冒頭で述べた通り、お守りに裏方の話は無用と考えます。
美術工芸品や実用品を兼ねているのなら、何々の資格を持った職人さんがどうだとか、純粋な何々だけで作ったとかの宣伝文句も理解できます。
しかし、神秘性を増大する為に、どこかの偉い坊さんが三日三晩祈祷しただの、古代より不思議な力を持つとされる何々をふんだんに使ったとかのセリフは、内容がどうであれ神秘とは逆行します。
そんな事は、お守りに限っては言わない方が利口なのです。
ベールに包まれているのが神秘的なんですから。
それなのに、裏方の露出が多大な「胡散臭い」広告の、なんと多い事か。。。
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