森の演劇会
【5/10】
着いた所はヒノキ林に囲まれた小さな芋畑でした。
そこには根付いたばかりのおいもくんが居ました。
「やあ、こんにちは。」
おいもくんは、みんなよりずっと大きな体をしていて、そのせいでしょうか少しのんびり屋さんです。
「演劇会?
おもしろそうだね。
でもおいらは今度の秋までにお芋を太らせないといけないから、ここを離れられないんだ。」
「今度の秋ぃ!?」
一同はびっくり。
「大地に根を下ろしてからが勝負なんですね。」
たんぽぽくんは真剣です。
「残念だけど、ここで君達の劇の成功を祈ってるよ。
ところで、どんなお話をやるんだい?」
どんぐりくんは、できあがっている所までを話しました。
「そうかぁ。
それじゃ何とかしてくろかすちゃんを助けないといけないね。」
「そう。
じゃないと私かわいそうでしょ?」
くろかすちゃんはすかさず答えました。
何だか変な会話です。
「おいらにはどうしていいかわからないけど、この先の田んぼのげんまいくんなら物知りだからいいアイディアが浮かぶかもしれないよ。」
「ありがとう。
行ってみるよ。」
四人は田んぼに向かいました。