森の演劇会
【9/10】

どれくらい歩いたでしょうか。 王様は一向に姿を見せません。 当たり前ですが。。。
しばらく行くと、道の真ん中に白と黒のストライプの、ちょっとかっこいい男の子が立っていました。 しかし、王様ではなさそうです。
「俺はひまわり。 こんな"大舞台"に、イケメンの俺を登場させないなんてもったいないぜ。」
挿絵9
[挿絵9]
「ふつー、自分で言うか?」
そらまめくんが言いました。 この勘違いくんに何て言ったらいいのか、みんなお互いに誰かが切り出すのを待っています。 この演劇会の"言い出しっぺ"であるどんぐりくんが責任を感じたみたいで、
「どこで聞いたか知らないが、君の出番は無いんだ!」
と、きっぱり言いました。
‥‥
一瞬、時間が止まったように思えました。 そして、
「ワーーー!」
よほど自分に自信が有ったのでしょう。 ひまわりくんは泣きながら駆け出して、あっと言う間にみんなの視界から居なくなってしまいました。

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