✏お守りコラム
−第22回−
【1/7】
🔶実在した人物がモデルの縁起物
古今東西、実在の人間が神として祀られた例は多数有ります。
ヨーロッパでは、第13回で取り上げた聖ゲオルギウスなど、キリスト教の殉教者(*注)の多くが神として扱われています。
中国では、後漢〜三国時代(2c末〜3c初頭)の武将である関羽(かんう)が「関帝」(かんてい、関聖帝君とも)という名の神様になっています。
義理人情を終生大切にした事から、信用第一の商人を始め、広く一般に財神として敬われています。
この他にも中国では、さすがに長い歴史を持つ国だけあって、多くの人物が神格化され、それぞれに信仰を集めています。
↗関帝を祀った神社
「関帝廟(びょう)」
🗾神奈川県横浜市中区
横浜中華街
📷カメラ付ケータイで撮影
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日本では、何と言っても菅原道真(845〜903)が神様になった「天神様」でしょう。
彼の生涯と天神様になった経緯は、歴史でも習いますので説明は省きます。
彼の死後千年以上も経っているのに、毎年何十万人もの受験生の願いを聞かなければならない日本で一番忙しい神様です。
他には、飛鳥時代の政治家聖徳太子、歌人の柿本人麻呂、修験者の役行者(えんのぎょうじゃ)、平安時代の暦学者安倍晴明、歌人の蝉丸(せみまる)、南北朝時代の武将楠木正成(まさしげ)や護良(もしよし)親王も神様になっています。
世界遺産の日光東照宮は、徳川家康に大権現という神様の称号を与えて祀っています。
比較的新しい時代では、明治時代の将軍乃木希典(まれすけ)や東郷平八郎元帥を祀った神社が東京に在ります。
近頃よく話題に上る靖国神社(東京都千代田区)は、戊辰戦争以降の全ての戦没者を神としています。
*注:
宗教弾圧などで命を落とした宗教家。
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